住生活用品業界の動きを伝える月刊紙 LIVING-BIZ

月刊リビング・ビジネス

よしえが見た いい寝!

マーケティングのお話

小島祥栄
小島祥栄

 20年以上前から販売しているフェイスパウダーで、知る人ぞ知るロングセラー商品があります。友人が使用しているのを初めて見た時に、いいなぁと思いました。何がいいかと言いますと、入れ物、つまり『コンパクト』が美しかったのですが、店頭で見かけたことはありません。聞くと、完全予約性で店頭には並んでいないのです。

 この商品はテレビや雑誌では一切広告をせず、口コミだけで広がっているようです。販売時期は12月のみ。言わずと知れたボーナス月です。自分へのご褒美月です。他メーカーのものを購入したこともありましたが、やっぱり元に戻りました。フェイスパウダーの品質(色味、発色、粒子の細かさ、使用感など)が圧倒的に優れていると感じたからです。最初は商品の見栄えに惹かれましたが、長期間のリピーターである理由は「品質」です。

 女性にとっては必需品なので、購入時には高いと感じるのですが、出費は年に1回であるし、使用しているときの満足感を考えると高くはありません。今では他メーカーも追随して同じようなコンセプトの商品を作っているようですが、少々高くても惜しくありません。価格が高いというデメリットも①見栄えが美しい②品質が優秀③完全予約制で生産ロスが少なく、生産が安定④発売時期が決まっているので繁忙期を避けて安価に生産できる⑤ボーナス月に販売──などと、なかなかの生産・販売戦略です。

 さて、私たちの業界ではどんな商品や販売戦略ができるでしょうか。寝具でも、時々話題になる商品はすくなくありません。枕、シーツ・カバー、掛け布団、敷き布団(マットレス)。ただし、掛け布団、敷き布団はライフサイクルが長いのでリピート買いをしてもらうには長期のサイクルになりますが、家族買いは見込めます。

 年1回くらいでのリピートを期待するなら枕、枕カバー、シーツ・カバー、敷きパッドでしょうか。これらの商品は同じ機能、品質をアピールし(ブランド化)、見た目を変えるだけでリピーターが付く可能性が大です。ではどんな機能でどんな品質であれば消費者の心を掴めるのでしょうか。まず、見た目で消費者の心を掴み、次に品質です。年1回しか販売しなくても待ってくれるお客が付くくらいの品質です。使用感が良いのは愛着に繋がります。本当のところ、そこが肝心です。

コンパクトのように、宣伝しなくても売れる寝具を作りたい
コンパクトのように、宣伝しなくても売れる寝具を作りたい

ページトップへ戻る